日別アーカイブ: 2015年3月9日

「戦争の 許しを告げた 第9条」(川柳)

DSCN0079木山捷平文学賞の川柳部門の入選者の一人が、こんな句を最後に載せていました。「税金の 真の用途が不透明」という句と合わせて私の目を引きました。作者は高校生です。若者の目に今の社会がどう映っているのでしょうか。国会では憲法の改正論議が国民の声をよそになされています。自衛隊が海外で戦う軍隊になってもいいの?憲法9条と言えば平和憲法として世界に誇るものなのにえっ?戦争許していいの?という彼女の不安や疑問が聞こえてきます。また、親の払う税金で政治が行われているのに本当にきちんと使われているの?と疑問を投げかけています。大人として責任ある行動と判断で若者に希望ある未来を提供しなければなりません。そのために何ができるかそれぞれの立場で考えたいものです。(記事とは関係ありませんが、写真は先日3.1ビキニデー集会に参加の際、焼津市に行った時のもの.消火栓のデザインが気になってとっていたものです)

 

笠岡を知る

kiyama1 真野光一氏は、受賞の言葉の中で触れられていましたが、北海道に住んでいて瀬戸内の笠岡市とはどういう所かと大いに興味を持たれ、調べられたそうです。そして笠岡が好きになったと締めくくられました。その理由の中に、職員の温かな、丁寧な対応があったことが語られました。各関係者への謝辞を述べられるなか、特にこのことが私の心に残りました。日ごろ市の職員の方とお会いしても、すれ違っても、日常の挨拶は私の方からかけることが多く、それでも返事が返ってこないときは、よほど悩みを抱えているのかと心配になるほどです。その点、真野氏に接触され、遠方からの招待に心を砕かれた職員に私は大きな拍手とねぎらいを申し上げたいと思います。人は宝なりです。ね?(写真は記事とは無関係ですが、選者の机上に使い古した皮のバッグが置かれてありました。味わい深く、持ち主の歴史と愛情を感じました。心にもとめ、カメラに残しておきたいと思いました。)

木山捷平文学賞受賞式

第10回木山捷平文学賞受賞式が3月8日ギャラクシーホールで行われました。一般部門だけでなく、小中高校生からのたくさんの応募もあり、各部門で市民の活躍のあとが見受けられました。見事小説部門で賞を射止めたのは「本宮鉄工所」を書いた、北海道小樽市出身の真野光一さんでした。受賞の言葉では、「出だしを書き始めて、現代の溶接知識を得るのに職人のいる鉄工所を探し求めた。しかし見つからず、これも運命かとあきらめた時、たまたま出かけた東北震災ボランティアの活動中、和歌山出身で引退した鉄工所主人に巡り合い、再び作品完成の道筋を与えられた」と話され、、まさにもう一つの小説が語られるのを聞いているようでした。とつとつとした語り口は、この方の誠実さ、まじめさと、親近感の持てる人がらをうかがい知ることができましたし、聞いていてとてもさわやかでした。私の楽しみはいつもこの受賞者のご挨拶にあります。その意味でも満足して聞くことができました。もう一つの楽しみは、選者の評を聞くことです。特に今年心に残ったのは、「ストレートに言いあらわすのではなく、表現力で」ということです。「鉄のにおい」という言葉を超えた表現力で鉄のにおいを感じさせる表現力を求めたいと小説の部選評を佐伯一麦(さえきかずみ)氏が述べられ、また他部門の選評の中にも具体的な言葉を通して抽象の世界をいかに表現するかという、課題を指摘されていました。手ごたえのある、貴重な時間を頂き、学ばせて頂きました。
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