平和の鐘

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 笠岡市は平和宣言都市です。金崎の干拓入り口にあるポールのそばに平和の鐘が立てられています。8月6日、今年で2回目の平和記念行事もここで行われました。
 私は毎日朝夕街頭演説をしていますが、今、再び教育基本法改正反対でお訴えをしています。平和な国づくりと教育は大切なつながりがあります。法律の改正で何をしようとしているのかを訴えていると、子供たちが、「おばちゃん、それって学校の前で言ってよ」と言って手を振り、自転車に乗って通り過ぎていきました。


アジア諸国民2000万人、日本国民350万人の命を奪った日本の侵略戦争。日本はその戦争を反省し、二度と戦争はしないことを憲法9条に書き込み、世界各国に約束いたしました。
そしてその平和憲法を花開かせるために、前文に「教育に待つところが大きい」と書き込み、教育基本法を決めました。
ところが自民党公明党政府与党が、この法律を変えようと先の国会に改正案を提案し、継続審議といたしました。こんなやり方と内容でいいのか一番困るのは子供たちです。子共の毎日に、とても関係のある学校、図書館、児童館、家庭などでの教育のおおもとを定めた「教育の憲法」と言われる大切な法律が教育基本法です。
その法律を与党のごく少数の人たちが3年間、新聞記者も入れないような場所で、ごく少数の役人の人と一緒にどう変えるかを議論し「もう結論が出た」といって国会で法律を変えようとしています。
やり方もひどいものですが、その内容も大変なものです。一つは新聞やテレビでも「心配だ」と言う声が上がっている愛国心の問題です。「国を愛する態度」をみんなに持たせることを学校の目標にしようとしています。目標の達成には基準が必要とされますが、東京都の学校では「君が代」斉唱が基準です。うたわないと先生を処分でおどして「君が代」を大きな声で歌うよう求めています。
以前テレビで東京都の教育長がこのことを天皇に誇らしげに語っている姿が報道されました。それに対し、天皇は「押し付けはよくない」と語ったことも報道されていました。福岡県を始め、全国のいくつかの市町村で通知表に愛国心の評価欄がありました。わが党の質問で小泉首相は「評価は難しい」と答えています。その答弁を受けて、今全国的に愛国心評価欄の訂正が行われています。
日本の国に住んでいて、「一人ひとりが大切にされる」、また日本人が世界で立派な成績を残巣。そんな時、誰もが「日本はすばらしい、」「日本人に生まれてよかった」と誇りに感ずるものです。私もその1人です。タレントの稲川順二さんは「国をする態度の押し付けではなく、愛する国であるようにしてほしい。」と語っています。愛国心は心の中に市民道徳として育つものです。
あの痛ましい戦争を体験された方は口々に「愛国心の押し付けは戦争への道」と語っています。
私、ひのつ倫子、元山陽高校の教員です。毎日、15歳から18歳の子供たちと勉強してきました。昔政府の「日本は正しい戦争をしているんだ」との教えで、この年代の子供たちの多くが命を落としました。そのことの反省に立って決められた大切な原則が教育基本法に書かれています。今、自民党公明党政府与党がその法律を変えようとしているのです。民主党も基本的にその考えです。みなさんの子供さん、お孫さんを戦争に借り出す国にしてはなりません。
わたしひのつ倫子、教え子を「戦場に送るな」を肝に銘じ、教育基本法の改正には反対です。
政府がもう一つやりたいといっているのが先生たちが心配している「全国一斉学力テスト」です。このテストは学校でいつも行っているテストではありません。すでに学力テスト競争を始めた学校では先生たちには「平均点を何点上げろ」とノルマが課せられ、平均点を下げるからと言ってテストの日に学校を休む生徒も出ています。「何でこんなことをするのか」と涙ながらに怒っているお母さんも多数おられます。
このテストは子どもたちに勝ち組負け組を持ち込むテストです。法律が変わればこんなことがどんどん押し付けられるでしょう。今、教育に必要なのはこんなことではありません。一つには、一人ひとりの子供が大事にされるように、少人数学級30人以下学級にすることです。2つにはみんなが良くわかるように勉強を教えることです。3つには体罰やえこひいきのないあたたかい学校をつくることなどです。
わが党の質問でそのような学校づくりには教育基本法の改正は必要ないと政府も答えています。教育基本法を変える必要などまったくありません。教育を良くする事に背を向けて、皆さんや教育をしばる法律にするなど到底許せません。多くの大人たちが立ち上がって子供たちのためにそんなことをさせないように、教育基本法改正反対で共に頑張っていきましょう。

平和の鐘」への2件のフィードバック

  1. 勝田 茂

    「全国一斉学力テスト」は学校単位で学校平均点など調べているのに驚きました。僕は15年前ぐらい前は「学力テスト=全国の学年順位や点数」など個人の各教科の分野ごとでどれに強くてとれが弱いのかと細かくやっていました。
    今は学力競争になっていて、週休2日制にして学力が落ちたので教育基本法の改正につながって行くのが分からないです。
    まだ分からない部分があって勉強しなくてはなりませんが、分かりやすい説明ありがとうございます。

  2. ひのつ倫子

     いつもコメントを有難うございます。学校で教えていた時に、勉強の嫌いな子がたくさんいて、時には学校やめるという子もいて、「わしは計算機があるから算数いらない。英語使うこともないから勉強せんでいい。別に困らん。」と言う主張を良く聞かされました。
     私は、受験体制が強くしかれた子供達の学校生活の中に、学ぶ楽しさ、知る喜びが欠けていることに気付かされました。どの子も分かる教え方に気を配ったものです。楽しい授業を追求しました。教材も人間形成に役立つ価値あるものを選んだものです。
     しかし今、現実には、あまりにも子供を点数で評価しすぎではないでしょうか。

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