いつでも手の届くところに置いたままの絵の具と筆を車に乗せて、どうしても描きたかった常夜灯を午後仕事の後にたずねました。苔むしたかさもそのままで生きています。このあたりは、海面より低地で吉浜郷と呼ばれています。その昔は海でした。この常夜灯は、十数軒の集落を照らす唯一の街灯であったに違いありません。周囲を山に囲まれたこの地は別名「くじら鼻」と呼ばれています。海がそこまで来ていたことが地名からでもうかがえます。
車から降りようとすると、ポツリポツリ。急いでカメラに収めましたが、暗かった空はついに夕立を運び、雷鳴をとどろかせました。又今度くることにしました。