稲の穂は、次第に枯れていき、とうとう田んぼ全体が茶色となりました。近くの畑のサトイモもかれています。川水を利用している畑の作物は生き生きとしていますので、川水に原因はない様です。海面よりも低いこのあたりの知恵ですが、西の山を切り開いて400軒程の団地ができたとき、ため池がきちんと整備されていない時代ですから雨水の排水のため、直径60センチの排水管が直接海に向けて敷設されました。大潮や台風などで海水が逆流しても山の中腹まで上ることはありません。縁月がたって最近、下水管を敷設する時、この排水管を2分し、ますを設けて用水路に流すこととしました。このため潮水の逆流が用水路に流れたと言うことで塩害が起きたと想定できました。昔のことを知らなければ到底解明できなかったことだと思います。それにしても早急に対策を講じないと、次の塩害が起きてしまいます。私は、業者と市に対して、とりあえず、逆流しても田畑に入らないよう対策を応急処置として行い、抜本的な対策は、これから下水道の枝線工事をするときに同時に行なって経費の面でも保障の面でも効率的に又十二分に対策をとるよう申しいれました。
マンホールを作って、団地からの雨水排水を用水路につなぎ、地域を流れる川に流すつもりだったのです。海に出る排水溝の出口は、ここから1メートルほど高い位置にありました。高低差だけを見ると、低い位置に水を集めるのが良策とされたのかもしれません。川の水は、水門へとつながり、満ち潮時には排水機によって海に流されます。
マンホールのふたを開けますと、両方の敷設管を浸して水がたまっていました。市は、カメラを通して中を調査の上対策を講じるとしています。
歴史的な背景がわからないと、原因もわからず、不安と失望がつのるばかりですよね。とりあえず、塩害被害が早急におさまることを期待しています。