木山捷平文学賞を受賞された広島の木下訓成さんが、受賞後すぐコスモス文学賞の中、60歳以上を対象としたシニア部門の長編小説新人賞を受賞されました。短編に長編に彼の創作意欲は退職後開花したようです。創作活動は「2番目の趣味」と言い放つ余裕は、1番目の趣味「自然に浸り人生を楽しむ」の豊かさからにじみ出ているように思えます。
私にはとても手の届かない感性と文字の世界です。何はともあれ、おめでとうございました。彼の創作活動に思いをはせつつ、整理していた写真の中の「片栗の花」がこの表紙にとても似合う気がして載せました。
「あしあと」カテゴリーアーカイブ
輪島市に被災者募金第2弾
更正保護女性の会の目指すところは
14日、更生保護女性の会総会が開かれました。記念講演は、笠岡警察署少年補導員の松本福子さんでした。おもしろいお話で、みんなをひきつけられましたが、お話の大半が、データを示して管内の少年非行実態紹介に関してでした。周囲の会員の皆さんの反応を見ると、『そうそう、近所のあの子がそうなんよ』『悪い子がたくさんいるなー』『結局親のしつけが悪いんじゃが』『うちの孫はそんな子に近づけない』などのようでした。「女の子の非行が増えている」「親の崩れが子供にも伝わる」「子供には恥を教えてほしい」と言う話の流れから生まれた反応でした。
昨日の睡眠不足による疲れ、次の約束予定もあり、講演の途中でしたが終了予定を10分オーバーしたところで、私は退席しました。
そして、どうか話の締めくくりが「こんな子供達を、私達大人は『あなた達のことをいつでも信じているから。私たちはみんなあなた達の見方よ』の気持ちで暖かく接してください。子供達が心を開けばきっと人間として成長する芽が生まれる。自分を見つめる心の目が生まれる。大人を信頼する気持ちが持てる。そこから更正保護の女性の会が目指しているものが広がります。」という方向であってほしいと願いながら、相談にのってほしいと待っておられる83歳のおばあちゃんのところに向かいました。
どんこ取りの名人
86歳になる戦争未亡人の叔母は、7年前に娘さんを亡くし、今は1人暮らしで頑張っています。時々たずねるのですが、耳が遠くて会話も忍耐を要します。先日、楽しい教え子の思い出話を聞きました。「教員10年目の頃かな。全校生徒400人弱で、担任した一年生のクラスは50人を超えていました。のぶちゃんはいたずら好きで私は頭が痛かった。ガマ蛙を捕まえては女の子を嫌がらせ、蛇を捕まえて木の先にくくりつけてぐるぐる回して通せんぼ、雨の日の水たまりをビチャッ、ビチャッと渡らないと新しい靴を履いた友達を帰らせない…….数え切れない悪さして彼を知らない人はいない。保護者の皆さんから苦情を聞くのが私の役目。」
ある日のこと、教室のバケツがないではありませんか。叔母はすぐ「のぶちゃんがまた川に行ってるな」と思ったそうです。養護の先生に迎えに行ってもらいました。学校近くの川でとったどんこをいっぱいバケツに入れて帰ってきました。校長室に呼ばれていましたので、叔母は心配していたそうですが、やがて「先生、校長室に来てください。のぶちゃんがどんこのとりかたを教えてくれますから。」と声がかかったそうです。校長室にはいると、得意気なのぶちゃんから板張りの床を泥んこにしながらドンコとりの「極意?」を教わったそうです。
その話を聞いておばの優しさと、校長先生の心の温かさを感じ取ることができました。昭和31年ごろの話ですからずいぶん前のことですが、今の子供達がこうした先生にたくさん接することができればいいのにと思わずにいられませんでした。
能登半島地震支援募金
サロンの花見
京都の春
あちこちに春の見えて
春らんまん
古いものを新しく
『先生、できたよ』腕の良い職人さんになった卒業生が出来上がったものを持ってきてくれました。外を歩いていましたが早速家に帰り、作品を見て本当に気に入りました。20年、一緒に住んでいた89歳になる叔母が、娘に引き取られていった後、彼女が使っていた2間を直して洋間にしました。ついでに玄関も広くしようと、土間との仕切りになっている半間の障子4枚を取り外しました。子供のときからの付き合いですから半世紀のものですが、頂いたベンガラ赤と黒を混ぜて、新しい洋間の床や引き戸の色に近いものを塗ってもらいました。障子紙を張ると白さと赤褐色のさんがとても映えて、陽射しをさえぎるついたてにはもったいないぐらいになりました。とても気に入っています。