JFE浚渫の視察

笠岡湾干拓に行くと、笠岡市に隣接するJFE福山工場がいつも煙突から夜は炎を、日中は白煙を上げているのが見えます。笠岡湾干拓をつくる際に、笠岡市は、日本鋼管、国と3者間での協議を経て覚書を交わし、工場建設に伴う市民の雇用獲得に期待を寄せJFEに干拓地を工場建設用地として無償提供しました。工業用地の20%は緑地でなければならないとされていますが、JFEは代わりにゴルフ場をつくり、早々と運営に踏み切りました。しかしいまだに工場建設は棚上げされたままです。これについて平成3年3月議会で、わが党の酒井宏侑議員が議会質問をしていますので、参考資料として役立ちます。

さて8月18日、笠岡市議会建設産業常任委員会、環境福祉常任委員会は合同でJFEの浚渫状況を視察しました。平成20年から国は、その工場に船で資材を運び入れる航路の浚渫を始めました。始めるに当たり、笠岡湾干拓地内のJFE工場建設予定地に浚渫土の仮置き場を認めるよう市に打診してきました。「仮置き場なら。。。」と、誰も異議を言いませんでした。今回の視察は、国の計画が終わり、8月15日から10月末まで、港湾護岸付近のJFE分の浚渫を会社が行うに当たり、国と同じ仮置き場に送水管を用いて浚渫土を運ぶとのことで、計画されました。リースの送水管は内側の直径670ミリ、長さ約2、5キロメートルで、7K/㎠の圧力でため池まで送られます。ため池は国が設けたものをそのまま利用し、全部で4つあり、計72万㎡の広さです。池の水位が高くなれば、それぞれの池に海水が移動できるトンネルがあって、移動した海水が効率よく蒸発するよう、考えられていました。浚渫請負業者は東和建設(株)で、さらに特殊な浚渫船で請け負ったのは、高知県の大旺新洋(株)でした。敷地内には鉱滓スラグがピラミッド状にいくつも置かれてありました。鉱石から取り出される鉄の残りカスは約60%だといいます。中にはスラグがサンゴと同じ様に水を浄化する働きもあって、スラグのテトラポットができないかと試行中とのことです。こんな廃物利用なら大歓迎です。早く研究が実るよう案内の方に伝えました。悪臭も予想していたほどでなく、特に大きな問題はなかったと思います。しかし、視察後の質疑応答の際、「仮置き場」としての認識が会社側になく、一同驚いたものです。このままで放置されるということは永遠に工場を建設するつもりはないということにつながります。事実確認が必要になると感じました。

海底の堆積土をパイプで送水

海底の堆積土をパイプで送水

全長2.5キロメートル

全長2.5キロメートル

ため池1つ18万㎡

ため池1つ18万㎡

帰り道、干拓のコスモスがきれいでした

帰り道、干拓のコスモスがきれいでした